電源のノイズを観測する (3) リプル・フィルタの性能はトランジスタが影響するのか
■利用するトランジスタでフィルタの性能は変わるのか
前回、リプル・フィルタに2SC3422を使いました。コレクタ電流Icは3A、Cobは35pF、ftは100MHzです。
スペアナの入力に何もつながないときの様子です。
50Ω入力、HIGH SENSITIVITYをONして内蔵プリアンプを使う。入力アッテネータを0dBに。 画面最上部のレファレンス・レベルREFを-50dBmに、一つのマス目は10dB/div。 RBW(分解能帯域幅)300Hz、VBW (ビデオ・バンド幅)を10Hz。 マーカのMKRをON、Noise/HzをON。1Hzの雑音電力バンド幅で正規化された値が表示される。 |
ノイズ・フロアは約-164dBmです。
実験用電源Model PAB 32-2のノイズを再度見ます。帯域は2MHzにしました。
以降、リプル・フィルタを入れた状態で観測しました。
●2SC3423 コレクタ電流Icは3A、Cobは35pF、fTは100MHz
リプル・フィルタによって約10dBmノイズ・レベルが下がりました。1.3MHz付近まではフィルタで強引にノイズが抑えられているようです。
●2SC3423 コレクタ電流Icは50mA、Cobは1.8pF、fTは200MHz
定格を少し超えて電流を流しています。
●2SC3851A コレクタ電流Icは4A、Cobは60pF、fTは15MHz
●2SC5198 コレクタ電流Icは10A、Cobは170pF、fTは30MHz
ここまでの観測で、トランジスタの種類の違いでフィルタの特性が変わっているようではないようです。