電流センサ (1) CP-07C
回路に影響を与えないように電流を測る方法は、三つあります。
- 非接触(ホール素子)のクランプ・メータ
- ホール素子を使った接触タイプ
- 低抵抗の両端の電圧
テスタと同じく、クランプ・メータは普及していますが、多くは50Hz付近の電流を測ります。オシロスコープの電流プローブは非接触タイプが多く高価です。
モータなどでは、一定速度で回転しているときはDMMで電流を測っても問題ないですが、負荷がかかったり、急速に回転数を変更したときに、その変化する電流を目視できるとトラブルの原因を特定できて開発に役立ちます。
最初、電流プローブCP-07Cを使います。現在、入手したebayでは販売されていません。電流プローブは電流を非接触で測ります。プローブには周波数特性があり、オシロスコープ用の電流プローブのカタログでは50MHzぐらいが多いようです。CP-07Cは、DC~5MHzとカタログに書かれています。
発振器はIwatsu FG-350です。
オシロスコープPicoScope 5242Bで波形を見ます。赤色は発振器の電圧出力を負荷抵抗100Ωの両端で測り、青色は負荷100Ωに流れる電流を、電流プローブCP-07Cの出力電圧で見ています。
このプローブは1mV/10mAで換算できるので、電流にPicoScopeで換算して表示します。約800uAp-pが読み取れます。発振器は約1kHzの正弦波です。DMMのKeithely 2000のACIレンジでは326uArmsです。
周波数を上げていきます。一定の電圧ではないですが、1.44MHz付近を超えると急速に出力は低下します。その手前で、急に電圧が上がる場所があります。
●方形波
20kHzの方形波の波形を見ます。立ち上がり時に大きなリンギングはありますが、追随できています。
発振器の周波数を50kHzに上げました。電流センサに内蔵されているアンプの特性かもしれませんが、元の波形とは相当異なっています。
発振器の周波数を100kHzに上げました。ノイズが増えて、元の波形が不鮮明です。
Picoscope側で500kHzのローパス・フィルタを入れます。電流波形が方形波であることは確認できます。
電流センサの多くはアンペア単位の電流を測定します。今回のようにuA単位の領域ではノイズが多く、本来の特性が出ていないかもしれません。