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LTspiceでOPアンプの特性を調べてみる(2)LT1115の反転増幅器

シミューションでもOPアンプの発振状態を確認できる

 今回は、リニアテクノロジー社のオーディオ用のOPアンプLT1115を利用して、OPアンプが発振する様子をシミュレートします。

●LT1115の反転増幅器のシミュレート
 次に示すLT1115の増幅回路で出力の様子をシミュレートすると、出力信号に入力信号以外の信号が重なっているようです。

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 立ち上がりの60μsの様子を確認すると、次のようになります。グラフの初期の部分をドラッグして拡大するか、.tran 10mのコマンドを.tran 60uにしてシミュレーションします。
 高い周波数の信号が出力されていて、回路が発振しているようです。

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 同じ回路で周波数特性を調べてみます。Simulate>Edit Simulation CMDを選択し、TransientのタブからAC Analysisのタブを選択して周波数特性をシミュレーションします。

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 周波数特性は、1MHzくらいまでフラットで3MHzくらいのところに増幅度のピークがあり、その後急激に増幅度が減衰しています。
 出力波形の位相は、入力に対して反転した180度の位相が2MHzくらいまでつづき変化がありません。ゲインのピークに合わせて大きく位相が進み360度を超えています。そのため負帰還が正帰還となり発振しているものと推定されます。

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高域のピークを抑える

 負帰還抵抗に並行に10pFのコンデンサを追加してシミュレーションしました。その結果、次に示すように、位相が進む方向が反対になっています。

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 比較しやすいように、同じウィンドウに両方のシミュレーション結果を表示しました。左のグラフでは180度のラインはほぼ上端で、右のグラフの180度ラインは下になっています。位相は反対の方向に振れています。

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 帰還回路にコンデンサを追加した回路を過渡解析した結果を次に示します。発振も止まりきれいな出力が得られています。

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 入力抵抗の値を1kΩ、2kΩ、4kΩ、8kΩと変更しゲインを同じにするために負帰還抵抗の値を入力抵抗の3倍にして .step コマンドで繰り返しのシミュレーションを行いました。
 入力抵抗が1kΩの赤いラインは発振していません。紺色(2kΩ)、黄緑(4kΩ)、緑(8kΩ)と抵抗値が大きくなるに従い発振信号のピークが大きくなっています。

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 同じ回路についてAC解析を行い周波数特性を調べると次のようになりました。

 赤の2kΩの入力抵抗のシミュレーション結果は、2kΩの入力抵抗で負帰還回路にコンデンサを追加したものと同様な位相の様子を示し発振していません。
 その他のシミュレーション結果は大きく位相が進んでいます。

 ブレッドボードでこのシミュレーションの様子が再現できるか考えています。

(2016/5/18 V1.0)

<神崎康宏>

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