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初心者のためのLTspice入門 LTspiceXVIIはUNICODEに対応して日本語表示もできる(2) 日本語表示をいろいろ試す

 前回、UNICODEに対応したLTspiceXVIIでコメントや、パラメータで指定した変数名にも日本語表記ができることを確認しました。
 今回はド、ミ、ソの和音の波形の波高値を測定してみます。ドミソの各信号の加算はシンプルにするため、次に示す抵抗による回路を用いました。

ラベル

 ラベルの日本語入力は、次に示すラベルの設定画面の全角文字を入力するだけで済みます。

 シミュレーション結果は次のようになります。

 もとになるドミソの波形を重ねて表示します。調和する三つの周波数の合成されたものが赤の和音の波形です。

ドット・コマンド

 ドット・コマンドのパラメータなどでも、日本語表示ができるか確認します。
 ツール・バーの「.op」のアイコンをクリックしてEdit Text on the Schematicのエディタ画面を表示し、マウスの右ボタンでクリックして次に示すように .measを選択します。

 .measのGUIエディタが表示されます。過渡解析(TRAN)を選択し、Result Nameに実効値を設定します。Genreには実効値を求めるのでRMSを選択します。測定値(Measured Quantity)の出力電圧から求めるのでV()の中に出力ノード名の「和音(ドミソ)」をセットしV(和音(ドミソ))とします。V()は半角文字で和音(ドミソ)は出力ノード名と同じ全角でセットします。
 TRIGとなっているTrig ConditionをTRIGからFROMに変更すると、次に示すGUIエディタの画面になります。2番目のTrig ConditionもTRIGからTOに変更し、0.1秒から0.9秒までの間の実効値を求めることにします。

 同様に、次のコマンドで最大値(MAX)を求めます。

  .meas TRAN 波高値 MAX V(和音(ドミソ))


 全期間にわたって調べるので from to の設定は省略してあります。

実行結果

 SPICE Error Logの内容を見やすくするために、メモ帳にコピーしたものを次に表示します。測定結果を格納するパラメータ、ノードの日本語表示もできました。

 注意すること、V()は半角で記入しないとエラーとなります。そのため、まず半角でV()を記入し、その後()の中に全角で 和音(ドミソ)を挿入するとミスが少なくなりました。変数を設定する{}も半角でなければエラーになるので、全角の変数名を利用する場合も同様です。

(2018/3/31 V1.0)

<神崎康宏>

初心者のためのLTspice入門 ◆オームの法則を確認する

(1) 抵抗の設定
(2) .measコマンド E/I=R
(3) .step .praramコマンド IR=E
(4) 電流源currentで過渡解析 I=E/R

◆オームの法則で回路に任意の電圧を作る

(1) 抵抗分割
(2) 抵抗分割で得た電圧に対する前後の回路の影響
(3) 抵抗分割で得た電圧に対する後回路の影響
(4) 電池の内部抵抗をシミュレーション

◆LTspiceXVIIはUNICODEに対応して日本語表示もできる

(1) LTspiceXVIIで日本語を表示
(2) 日本語表示をいろいろ試す
(3) グラフ画面にも日本語表示

◆シミュレーション結果を保存しその結果を利用する

(1) WAVEファイルにする
(2) LTspiceで出力されるwaveファイルの保存先
(3) BVコンポーネントでいろいろな信号を作る
(4) waveファイルを電圧源として読み込む
(5) waveファイルを有効利用

◆AC電源から直流電源を作る

(1) ダイオードによる整流回路
(2) ダイオードによる半波整流回路に平滑回路を追加する
(3) ダイオードによる全波整流回路
(4) 全波整流回路のリプル
(5) レギュレータICを利用して±の安定化電源を作る

◆ダイオードの動作確認

(1) ダイオードのモデル

◆コイルを利用した電源回路

(1) チョーク・インプット型全波整流回路
(2) 電圧制御スイッチで負荷をON/OFFする
(3) ステップアップ・スイッチング・レギュレータ回路(1)
(4) ステップアップ・スイッチング・レギュレータ回路(2)
(5) ステップアップ・スイッチング・レギュレータ回路(3)