電流ブースタ・アンプの製作 (2) 40dBのアンプの特性

 前回、増幅度101倍の非反転増幅回路を想定しました。次の回路図で、R1は100kΩ、R2は1kΩを用意して実際に作ります。電源は充電型の006P(9V)を2本使って、±電源とします。OPアンプは汎用のNJM4580DDです。最初、負荷RLはとても軽い10kΩにし、特性を観測します。
 2回路入りのOPアンプなので、一つは使われていません。本来ならノイズなどの影響を考え、端子を接地するなど対策をしなければ、安定した動作が期待できません。ここは実験なので、何もせずに観測をします。

オシロスコープの波形

 Analog Discovery2の発振器で1kHz-100mVp-pを作ります。


 Analog Discovery2のオシロスコープを利用して信号を観測します。プローブの1と発振器1の出力を、上記回路のINにつなぎます。プローブ2をOUTにつなぎます。
 オレンジ色が入力波形で、縦軸は50mV/divです。青色が出力で縦軸は5V/divです。発振器の出力は100mVp-pで、オレンジ色は158mVp-pと測定されているので、低いレベルの信号だと不正確ですね。増幅器の出力は10.56Vp-pなので、ほぼ正しく101倍の増幅ができています。

FFTの波形

 青色が増幅された信号です。出力に、2次(2kHz)、3次(3kHz)などの場所に信号が見られません。101倍増幅してもひずみは生じていないようです。高い周波数にあるピーク信号は外来ノイズかもしれません。

ボーデ線図

 上記の接続のままでネットワーク・アナライザの機能を使うと、増幅度が周波数によって変化する様子が観測できます。ここでは、100Hzから10MHzの範囲を調べています。上半分のグラフの青色が出力レベルを示しています。約100kHzまでフラットに増幅できています。

負荷を重たく47Ωにすると

 RLを47Ωに変更します。出力電流が取れなくて、出力波形がクリップします。このOPアンプはオーディオ用なので、負荷は600Ωぐらいを想定しているのかもしれません。

                                                                       

OPアンプ単体で負荷に流せる電流

 オシロスコープの縦軸を拡大します。プラス側3.4V、マイナス側は-4.0Vで飽和しています。負荷抵抗は47Ωなので、オームの法則から、プラス側は72mA、マイナス側は85mAの電流が流せることがわかります。

 実験中の様子です。

連載 電流ブースタ・アンプの製作

(1) 40dBのアンプ

(2) 40dBのアンプの特性

(3) PNP/NPNのトランジスタ

(4) シミュレーション

(5) 実機で動作検証

(6) 中電力のトランジスタ

(7) ダーリントン接続