電流ブースタ・アンプの製作 (7) ダーリントン接続
今までの実験で使ってきたトランジスタ2SC1815L-GRと2SC3422-Yをダーリントン接続、2SA1015L-GRと2SA1359-Yをダーリントン接続して実験します。ダーリントン接続すると、hFEが二つのトランジスタの掛け算になり跳ね上がります。一般に電力用トランジスタのhFEはそれほど高くありません。
●負荷抵抗39Ω
前回出力波形がクリップした負荷抵抗39Ωでスタートします。そのほかの抵抗値は前回から変更していません。
前回はこの負荷で波形がクリップしましたが、きれいに増幅できています。実測電流は52.0mAです。
●負荷抵抗22Ω
負荷抵抗をさらに小さく22Ωにしました。出力波形はプラスとマイナスの両方ともクリップしました。実測電流は87.1mAです。次の画面から、ピーク電流は209mA取れることがわかります。
このときの帯域を見ます。30kHz付近から少しずつ利得は減り始めているようです。
ダーリントン接続の初段のエミッタと次段のエミッタの間に2kΩくらいの抵抗を入れると少し改善されるようです。2.2kを入れましたが、特性に改善はありませんでした。もう少し周波数の高いほうで使われる回路で効果があるのかもしれません。
周波数帯域は、OPアンプ自体のGBW、トランジスタのコレクタ出力容量Cobなどの影響が出ます。
電源電圧が5Vと低いと、この回路はあまり特性が出せないようです。ダイヤモンド・バッファと呼ばれる回路が適しているようです。