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初心者のためのLTspice入門 LTspiceXVIIはUNICODEに対応して日本語表示もできる(3) グラフ画面にも日本語表示

 前回までで、LTspiceXVIIがUNICODEに対応してコメント、変数、ラベルなどで日本語の表記ができるようになったことを確認しました。今回は、グラフ画面上での日本語の表記の様子を確認します。

LM741の教育用のサンプルを利用

 シミュレーション結果をグラフ画面に表示する例として、ExampleフォルダのEducationalフォルダにあるLM741.ascを利用します。1968年発売のLM741は、無調整の安価なOPアンプとして登場したレジェンドです。このファイルを開いた結果を次に示します。
 V1はマイナス15V電源、V2はプラス15V電源、V3はテストのピーク値1V、周波数1kHzの正弦波の信号源です。R11が10kΩの負帰還抵抗、R12がマイナス入力の入力抵抗でGNDに接続されています。そのために、この回路は非反転増幅器となっています。三つの電源、R11、R12、R14の抵抗はLM741の外部に付加されたものです。それ以外はLM741をシミュレートするために構成された回路です。配線上に2、3、4、6、7のピン番号がラベルとして表示されています。

 

 まず、回路図に日本語のコメントを追加します。ツールバーの .opのアイコンをクリックして「Edit Text on the Schematic」を表示し、次に示すようにCommentをチェックします。文章の入力中、CtrlキーとMキーを押すと改行できます。

 いくつかコメントを追加した結果を次に示します。

 シミュレーションを実行し、LM741の入力信号となるV3の出力をグラフに表示します。

グラフ画面にテキストを表示する

 グラフ画面をマウスでクリックするなどしてグラフ画面を選択すると、メニュー・バーがグラフ画面用に変わり「Plot Setting」のメニューが表示されます。このメニューを選択し、リストのNotes & Annotationsを選択します。これで、グラフにメモや注釈を追加するためのテキスト、矢印、箱、円などを描いたり、移動したり、図形のドラッグなどの項目が利用できます。

 Place Textを選択すると、次に示すグラフ画面にテキストを表示する「Annotate the plot with text」が表示されます。テキスト欄には全角文字が入力できます。

 デフォルトでは文字のカラーはグレイになっています。カラーの欄で12種類の色を選択できます。選択できるのはグレイも含めると13種類となります。

箱(BOX)の線、矢印や線の変更

 箱(BOX)の線、矢印や線の変更は、図の線をマウスの右ボタンでクリックすると次に示す「Annotation Line/Color」の画面が表示されます。
 線の種類とカラーを変更できます。

 

 次のように、画面上に目盛りや注釈を全角文字で表示できます。

出力電圧を追加する

 同じ画面に、出力電圧を追加します。グラフに表示され電圧の範囲が広がったので一部の注釈は表示位置がずれています。

 

 出力電圧のグラフに注釈を追加し、グラフを全画面表示しました。

 このグラフ画面にメモや注釈を表示する機能は従来のLTspiceIVにもありましたが、日本語表示はできませんでした。LTspiceXVIIになりUNICODEに対応したため、多くの場面で日本語表示ができるようになりました。

(2018/6/3 V1.0)

<神崎康宏>

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