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Raspberry Pi Picoでプログラミング ③ ラズパイ4の準備(3) LチカとHello, world!の実行

 Picoのプログラミングをするうえで、とても有用なのが、ドキュメントです。Cortex-M0+というマイコン自体の解説、周辺機器をつなぐときのサンプル回路やサンプル・プログラム、C/C++やMicroPythonを利用するときのリファレンスまで、発売時に用意されていました。

 C/C++言語でプログラムを作るには、

  Getting started with Raspberry Pi Pico

を参考にします。実際にコーディングするうえで、Picoボードのことが書かれた

  Raspberry Pi Pico Datasheet

を参照することもあります。よりCPUに近いことは次のドキュメントに書かれています。

  RP2040 Datasheet

 ピンの名前は覚えにくいので、いつでも見れるようにしておきます。

  Pico-R3-A4-Pinout.pdf

Getting started with Raspberry Pi PicoのLチカから始める

 セットアップがすむと、Lチカ(Blink)やHello, world!は、コンパイルがすんでいます。これでは何をすればよいのかがわからないので、独自のディレクトリで開発をします(第5回を予定)。

 ここでは、次の2点を行います

  • セットアップ
  • ビルド済みのBlinkとHello, world!プログラムの実行

セットアップ

 ラズパイのOSを最新の状態にします。

sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade -y

 rebootします。

 ターミナルで、

uname -a

 5.10.17です。ダウンロード・ユーティリティのwgetをインストールします。

sudo apt install wget

 すでに入っているかもしれません。

 インストールに必要なことが記述されたスクリプトを取得します。

wget https://raw.githubusercontent.com/raspberrypi/pico-setup/master/pico_setup.sh

 実行権を付けます。

chmod +x pico_setup.sh

 実行します。

./pico_setup.sh

 15分前後で終了しました。リブートします。

動作確認①

 picoのフォルダの中にすべてがインストールされています。

 picoフォルダの中に、pico-examplesフォルダがあり、多くの事例が入っています。pico-playgroundにも事例があります。ソース類はpico-sdkに基本的なものが、pic-extrasにはpico-playgroundにある事例のライブラリ類が入っています。

 pico-examplesフォルダの中は、たくさんのサンプル・ソースが入ったフォルダとビルド(コンパイルしてリンクして実行ファイルを作ること)されたファイルが入るbuildフォルダがあります。

 buildフォルダの中に、Lチカの実行ファイルの入ったblinkがあります。解説書では、自分でmakeしますが、すでにmakeはすんでいます。

 blinkのフォルダの中身です。

 たくさんファイルがあります。

 ここで、PicoのResetボタンを押したまま、BOOTSELボタンを押し、Resetボタンを離してから、BOOTSELボタンを離します。これでRPI-RP2ディスクがマウントができます。

 blink.uf2ファイルをRPI-RP2ディスクへドラッグします。これでマイコン(Pico)に書き込みが行われ、完了するとリセットがかかり、プログラムが動きます。

 USBコネクタ横の黄緑色のLEDが高速に点滅します。

動作確認②

 buildフォルダの中に、「Hello World!」を出力する実行ファイルの入ったhello_worldがあります。解説書では、自分でmakeしますが、すでにmakeはすんでいます。

 フォルダの中には2種類の実行ファイルがあります。ここでは、serialフォルダの中身を使います。

 デスクトップにあるterm.shをダブルクリックして起動します。小さなパネルが出るので、ターミナル内で実行を選びます。

 

 Resetボタンを押したまま、BOOTSELボタンを押し、Resetボタンを離してから、BOOTSELボタンを離します。これでRPI-RP2ディスクがマウントができます。

 hello_serial.uf2ファイルをRPI-RP2ディスクへドラッグします。これでマイコンに書き込みが行われ、完了するとリセットがかかり、プログラムが動きます。

 通信ソフトminicomが動いているターミナルに、printfの実行結果のHello World!が出力されます。

 出ない場合、Raspberry Pi ConfigurationのSerialは次のようになっていることを確認してください。

テキスト・エディタの修正

 気に入ったエディタがあればいいのですが、汎用のテキスト・エディタはデフォルトではソース・コードが読みずらいです。EditからPreferencesを開き、一番上の「行番号をつける」をチェックし、一番下のカラーは「なし」から「Classic」に変更します。

 

連載 Raspberry Pi Picoでプログラミング

(1) ラズパイ4の準備(1) USBブートの設定

(2) ラズパイ4の準備(2) 標準入出力の用意

(3) ラズパイ4の準備(3) LチカとHello, world!の実行

(4) ラズパイ4の準備(4) リモート環境の設定

(5) プログラミングの環境整備とLチカ

(6) Hello, World!

(7) 使用するピンと機能

(8) クロックの値の表示

(9) i2cscanner

(10) i2c APIと気圧センサLPS25

(11) i2c 温度センサTMP117

(12) i2c 湿度センサAHT20

(13) spi APIとA-DコンバータMCP3008

(14) spi A-DコンバータMCP3208

(15) gpioファンクション

(16) gpio スイッチを押すとLEDが点灯する STEP2

(17) gpioファンクション MASK