Raspberry Pi PicoとMOSFET ① MOSFETの特徴
マイコンの出力電流は4mAぐらいです。MOSFETをつなぐと、数Aから数十Aの電流をON/OFFできるようになります。最初に、中電力用MOSFETの特性を見ます。
●TK100E08N1のおもな特徴
- ドレイン-ソース間電圧 80V
- ゲート-ソース間電圧 ±20V
- ドレイン電流(DC) 100A
- ドレイン-ソース間オン抵抗 2.6mΩ
- 許容損失(25℃) 255W
●Vthをみる
データシートによると、ゲートしきい値電圧Vthは、2.0V(最小)、4.0V(最大)と書かれています。測定します。
測定結果から、ゲート電圧2.6V付近から少し電流が流れ始め、ドレインが5V(Id=32mA)のときは約3.6Vで完全にONになりました。データシートでは、ドレイン電流で見ると、次のようなゲート電圧になります。
- 5Aのときに約4.0V
- 10Aのときに約4.2V
- 20Aのときに約4.3V
ドレイン電圧12Vで使うとすれば、Vthは約3.8Vで完全にONになりそうです。
ドレイン電圧5Vで使うとすれば、Vthは約3.6Vで完全にONになりそうです。
どちらにしろ、PicoのHigh=3.3Vではギリギリか、電圧が足りなくて、ONできないかもしれません。
●Id/Vds特性
もう一つの測定結果が、Id/Vdsです。ゲート電圧が4Vを超えると、ゲートに電圧をかけた瞬間に大きな電流が流れます。
データシートには、大きな電流領域のグラフが載っています。
ゲート電圧が5Vだと25A、8Vだと50A、10Vだと100A程度が制御するのに必要な電圧に読めます。
したがって、マイコンから、ドライブ回路で12Vをゲート電圧としてON/OFFさせれば、このMOSFETを最大限生かした使いかたができると思われます。
次回、実際にドライブします。