初心者のためのLTspice入門 OPアンプを利用したフィルタ回路のシミュレーションと実測(6)非反転増幅器のシミュレーション結果とScopyによる実測値とを比較する
今回は、過渡解析のシミュレーションの結果とADALM2000による実測値と比べます。
入力信号のV3はVampを0.2V、周波数を1kHzの正弦波と設定します。入力信号、出力信号のピーク to ピークの値を .measコマンドで測定しています。
シミュレーション結果は次に示すようになります。V3からの信号のオフセット電圧は0VでVampは0.2Vなので、次の出力になります。
Vamp × sin((2π/T)× time ) |
その結果、次に示すように入力信号は±0.2V範囲で振幅する正弦波となります。
●非反転増幅器の増幅率
出力信号の波形は、入力波形に対して次の割合で増幅されています。
(R1 + R2)/ R1 =(22k + 100k)/ 22k = 5.545 |
波形の大きさを確認するために、.measコマンドで入出力波形のピークto ピークの値を測定しました。
入力信号のPP値は0.3996V、出力信号のPP値は2.216Vと測定されています。
●ADALM2000による測定
●電源のセット
電源の設定状態は、Scopyのアプリケーションをいったん終了して再開した場合も保存されています。しかし、電源の出力はディセーブルの状態で出力されていません。アプリケーションを再起動したら、必ずイネーブルの処理が必要です。
また、トラッキングの設定になっている場合は、プラスの電源をイネーブルにするとマイナスの電源もイネーブルになります。プラスの電源の制御でプラス/マイナスの両方の電源の制御が一度に行われます。
●入力信号の設定
入力信号の設定はSignal Generatorの画面を開き、橙色のCH1を選択します。単位をmVoltsに設定し Amplitudeの欄に400を入力します。その後、RUNのボタンをクリックして入力信号をOPアンプに加えます。プラスやマイナスのアイコンをクリックする場合、とびとびの値しか設定できません。それ以外の値を設定する場合は、直接値を入力欄にキー入力します。
●オシロスコープで入出力波形をチェック
右下のMeasureをチェックすると、次に示すように橙色の入力波形の測定結果Period(期間) 1.000ms、Frequency(周波数) 1.000kHz、Peak-peak 409.209mV、Mean(平均) -4.356mVが表示されます。出力波形は紫色でPeriod(期間) 1.000ms、Frequency(周波数) 1.000kHz、Peak-peak 2.275V、Mean(平均) 94.670mVと表示されています。
シミュレーション結果とLT1006の実際の回路をADALM2000で測定した結果は、ほぼ同じでした。
(2019/3/2 V1.0)
<神崎康宏>